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『はい』
私は平静を装い、少し明るめの声で電話に出た。
少しでも、ドキドキしてるとか、気があるとか、未練があるとか思われたくなかったからだ。
『久しぶり、元気しとった?』
1ヶ月振りに聞く春樹の声は張りのない声だった。
『なに?なんか用?』
『久しぶりやのに、そんな言い方冷たいなぁ』
『別に、優しく言う必要もないでしょ!?』
電話の向こうからは、ため息が聞こえた。
確かに、自分でも冷たい言い方だと思った。
『何か用があって電話してきたんでしょ?私、忙しいねんけど』
『ごめん、ごめん』
と言いながら、春樹は続けてこう言った。
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