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「あ、始まった」
真子がそう呟いた途端、光の線が星空に向かって伸びて行き、大地を揺らす轟音を響かせながら光の玉が弾け、夜空いっぱいに光の花が広がった。
花火は真っ暗だった周辺を明るく照らす。
美喜の目に、真っ暗で、ぼんやりとしか見えなかった真子や、和の顔をようやくはっきり見る事が出来た。
二人は花火に視線を向けていたため、美喜が見ていたなど、全く気がついていない様子だった。
花火の光が消えかかると、続けざまにもうひとつの花火が弾け、轟音が大地を揺らす。
三人とも、花火の美しさに見とれていた。
「もう、終わりなんだね」
真子がひっそりと呟いた言葉は、色んな意味が込められている事に、美喜も和もなんとなく悟った。
和は何も言わずに頷き、美喜はうんと、言葉を返した。
fork road~影の二章~end
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