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「ところでさ、お前泳がないのか?」
太市はパラソルの下に座っている私服のままの和に問い掛けると、和は小さく首を振った。
膝を抱えて小さくなっている様子を見ると、見学を強要された学生の様だ。
「もともと夜型だからな。強い日差しは苦手だ」
和が言い訳っぽくそう述べると、太市はニヤッと笑みを浮かべる。
「まさか和、泳げないんじゃないのか!?」
半分笑いつつ和に指を差すと、否定するように首を振った。
「おい太市」
涼が太市の腕を肘で突きながら続けて口を開く。
「真っ黒に日焼けした和、想像出来るか?」
太市はそう問い掛けられ、ボディービルダーのような和を一瞬想像してしまったためか、少し顔色が悪くなった。
「俺が悪かった」
太市すんなり和を馬鹿にしたことを謝る。
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