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和は手を握りしめ、ラルパスの顔を殴りつけた。
ラルパスはその衝撃でよろめくが、シオンが倒れないようにしっかりと腕を掴んだ。
皆は和の行動に衝撃を受け、和を凝視する。
「あんたの行動で、大勢の人間を傷つけた。そこに居るジュンも含めてだ。ジュンがどんな気持ちでここまで来たのか、あんたには分かっているのか?」
「……分かっているさ…」
ラルパスは和の目を見る事なく小さく呟く。
「いや、分かっていない。ジュンは光の皆は家族のようなものだと、そう言っていた。あんただってその一部だったんだ。なのに、あんたは妹を殺された憎い感情のまま行動を起こして、ジュンにあんたを……家族を殺させようとしていたんだ」
「っ……ジュン…」
和の言葉を受け、ラルパスはジュンの本当の気持ちを知ってしまった気がして胸が締め付けられる。
家族を亡くす痛みを知っているが故に、自分がどれだけジュンに残酷な仕打ちをしていたのか理解してしまった。
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