8405人が本棚に入れています
本棚に追加
「取りあえず、ホテルに帰ってゆっくり考える事にするよ。他の仲間にも事情を説明しないと……。ただ、ラルパスがすぐに解放されない事を祈るよ」
「そうか」
ジュンの言葉に、海斗は小さく頷いて一言だけ言った。
「今までお世話になりました。海斗さん」
「あぁ、機会があったら、また会おう」
ジュンは丁寧に海斗に会釈すると、海斗の返事を聞いた後、消えるようにその場から居なくなってしまった。
その場に残った海斗の金髪が、風にあおられて揺れる。
「これからが大変だぞ。…和」
誰に言うまでもなく、小さく独り言を呟く。
海斗が立ち去った裏路地は、静寂を取り戻し、闇に紛れて存在を隠した。
最初のコメントを投稿しよう!