選択肢

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それから捕虜の処分が決まらぬまま、約三日がたった。 海斗の口外無用という言葉に従い、四天王とごく僅かな人間にのみ事件の犯人の事を知らされ、捕虜であるラルパスは、地下牢でひっそりと暮らしていた。 ラルパスに一日三回の食事を届けるのは、いつの間にかシオンの仕事になっており、同時にラルパスにかけた封印の管理もやっていた。食事といっても、コンビニ弁当と飲み物くらいだが、ラルパスはまともな食事が出る事事態に驚いていた。 今日もシオンはラルパスに弁当を届けるために地下牢に向かっていると、地下牢に向かう途中、誰かと鉢合わせした。 「和くん」 シオンがその人物の名前を呼ぶと、和は無言で手を差し出した。 「それ、俺が持って行く」
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