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それを聞いたシオンは驚いたような表情をして、弁当の入った袋を引っ込める。
「それはさせられないよ」
「どうして?」
シオンの言葉に和は首を傾げる。
「弁当を和君に持って行かせるような事出来ないっていうのもあるけど、今は術が解けていて近づくのは危険だよ」
今、シオンの術が解けているということは、ラルパスが術を使えるようになっている事を意味しており、和が攻撃されるかもしれないという事を恐れているのだ。
「知ってる。封印を施さないでくれって頼んだの、俺だからな」
「また、何で」
シオンは、何故和が敢えて危険な状況を作りだそうとしているのか、理解出来なかった。
「あの男の出方を知りたかったからだ。良いから貸せ、二人きりで話がしたい」
「う……」
シオンはどうしようか迷った様子で、コンビニ袋に視線を向ける。
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