選択肢

5/30
前へ
/538ページ
次へ
「それなら、僕も行くよ」 シオンはそう言ってみるのだが、和はなかなか首を縦に振らない。 「あいつに俺を殺すような動機がない。だから大丈夫だ」 「うぅ」 シオンは二人きりにさせないような口実を考えるも、なかなか思いつかず、渋々袋を差し出す。 「何かあったら、僕の責任になるんだからね」 「悪いな」 和は困った表情をしているシオンを一瞥し、地下牢の奥に歩みを進めた。 『本当に和君は頑固なんだから』 シオンは和の後ろ姿を見送った後、急いで海斗の所へ走った。 引き止める事が出来ないのであれば、海斗に報告して、どうにかして貰うしかないだろうと考えたのだ。
/538ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8405人が本棚に入れています
本棚に追加