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「それなら、僕も行くよ」
シオンはそう言ってみるのだが、和はなかなか首を縦に振らない。
「あいつに俺を殺すような動機がない。だから大丈夫だ」
「うぅ」
シオンは二人きりにさせないような口実を考えるも、なかなか思いつかず、渋々袋を差し出す。
「何かあったら、僕の責任になるんだからね」
「悪いな」
和は困った表情をしているシオンを一瞥し、地下牢の奥に歩みを進めた。
『本当に和君は頑固なんだから』
シオンは和の後ろ姿を見送った後、急いで海斗の所へ走った。
引き止める事が出来ないのであれば、海斗に報告して、どうにかして貰うしかないだろうと考えたのだ。
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