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「お前、和っていうのか」
ラルパスは和の顔をしみじみと眺めると、和は嫌そうに顔を背ける。
「ま、そうだよな。嫌われて当然か。俺はお前の仲間を何人も殺したんだから」
「……」
和は俯いて眉間に皺を寄せる。
そう、仲間を何人も殺した人物が目の前に居るのだ。嫌悪感を抱いても仕方がない。
しかし和自身、仇をとるなどという考えは浮かばなかった。
ラルパス自体、根は悪い人間ではないし、今回の事件も道を誤っただけなのだ。
それを考えると、ラルパスをどう処分するべきか判断しかねる。
だからこそ、こうして二人きりで話す機会が欲しかったのだ。
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