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「三つ目」
和が三本目の指を立てる。
「影として生きる道」
「!?」
ラルパスは、和の言葉に衝撃を受ける。それは言わば、和と同じ組織に入る事を意味していた。
「影として生きることで、光や影も手出しはできない。あんたを保護することが出来る。ただし、影のルールには従って貰う事になるけどな」
「お前正気か?」
「正気も何も、ただ俺はあんたに選択肢を与えているだけだ。どれを選ぶかはあんた次第」
和は動揺するラルパスを見ながら無表情で答える。
「お前のボスに、そう言え、と言われたのか?」
「いや、独断だ」
「そんな事出来るのか?」
「あぁ、出来る」
ラルパスの質問に和は小さく頷いた。
しかし、それも選択肢のうちの一つ。ラルパスが、どの道を選ぶかは想定出来なかった。
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