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「俺を……。俺の行為を許すと言うのか?」
未だに信じられないと、ラルパスは動揺した様子で和を見続ける。
「もともと、俺はあんたを恨んでいない。確かにあんたに殺された仲間の事は残念で仕方がない。だが、あんたの気持ちも分からなくもない。大事なものを奪われる事に憎悪を抱く気持ちも分かる。だからこそ、あんたの助かるすべを与えるんだ。人生をやり直したいという気持ちがあるのだったら、光という名を捨てて影に落ちる道もある」
「やり直す……」
ラルパスは視線を落とし、心に留まった言葉を繰り返す。
「影は、もともと、闇を裏切って逃げて来た人間達が作り上げた組織だ。殺しをし続けた奴も、闇のルールに縛り上げられていた奴も、今までの自分の行動を後悔し、やり直したい、自由になりたいと、そう願ったからこそ、影に居るのだろう。そんな奴らを保護し、自由を与える事こそ、影の組織の役割だと考えている。光だって例外じゃない」
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