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「お前すげぇな。感動しちまった」
ラルパスは身震いをし、和に厚い視線を向けると、和は小さくため息を吐いた。
「このシステムを作ったのは俺じゃない」
「だけど、ここに来たのはあんたの意識。違うか?」
「……とにかく、答えはすぐに聞くつもりは無い。牢屋の中でゆっくり考える事だ」
和はラルパスの質問に答える事をせず、ラルパスの前を横切って出口に向かおうとするが、鉄格子越しにラルパスの手が伸びて来て腕を掴まれた。
和は反射的に腰に仕込んでいるナイフに手を伸ばすが、ラルパスの顔を見てナイフを出すのをやめた。
ラルパスに一切敵意はなく、ただ、和にもの言いたげに引き止める素振りを見せただけだったからだ。
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