異世界

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達司が聞いた。 「うん。いくら揺らしても起きないから王様が困ってたんだ。そのままにしておくわけにもいかないし、城に連れていくわけにもいかないからね」 美穂が答える。 「それで王様の役に立ちたくて、達司を俺達の家に連れてきたんだよ」 光汰がそう言うと、美穂は笑った。 「本当にそれだけ?」 ニヤニヤしながら美穂が言った。 「あっ、当たり前だろ。それだけだよ」 光汰が焦って否定した。 「達司君をこの家に連れてくるとき、おぶった達司君を見ながらお兄ちゃん、なんて呟いたと思う?」 「み、美穂!」                     
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