異世界

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達司がそう言うと、光汰と美穂はキョトンとした顔で首をかしげた。 「日本ってなに?」 「総理大臣とか天皇って?」 「それに子供って?」 光汰と美穂が代わる代わる達司に聞いた。 「な、なに言ってるの?日本ってこの国の名前じゃん」 達司が言った。 3人はしばらく見つめ合い、同じ考えに辿り着いた。 「もしかして別世界とか・・?」 3人の声が重なった。 「…本当にそうなの?」 「・・・この国の名前は?」 美穂の問いを確かめる為に一呼吸おいて達司が聞いた。 同じ考えに辿り着いてもまだそれを信じたわけじゃなかった。 達司はもしかしたら外国なのかもしれないと考えていたし、光汰と美穂もそれは同じだった。 『知っている国の名前だったら』と達司は思い、『もしこの国の名前を達司が知っていれば』と光汰と美穂は思った。 そうだとすれば3人の世界はあまり離れていないことになる。 外国と全くの別世界とではずいぶんな違いがある。                     
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