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美穂が明るい声で達司に言った。
「う、うん。いいよ」
戸惑いながら達司は言った。
「あ、その前にさっきの質問に答えて」
美穂がニコッと笑って言った。
「質問?」
達司が聞き返した。
「総理大臣とか天皇ってなぁに?」
「あぁ。総理大臣ってのは僕の国で政治をしている人のことで、天皇ってのは象徴‥だったかな」
達司は学校で習ったことを思い出しながら言った。
「ふーん。あ、じゃあ子供ってのは?」
美穂はあまり理解できずに適当に聞き流してから、更に聞いた。
「子供ってのは…」
達司は答えかけたが、考えるような仕草をして言葉を止めた。
「光汰と美穂って歳いくつ?」
「歳?俺は12歳」
「私は11歳。達司君は?」
「僕は12歳」
「俺と同い年だな」
「ねぇ、子供ってなんなの?」
美穂が話を戻した。
「子供っていうのは僕達くらいの歳の人だよ」
「じゃあ、他の歳の人は?」
「大人とか赤ちゃんとかかな。あ、そういえば光汰達のお母さんとお父さんは?」
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