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美穂はベッドに座ったまま心配そうに見ていたが、唇を噛んで小さく震えている。
しばらくすると美穂の目から涙がこぼれた。
そして美穂も大声をあげて泣きはじめた。
その声に気付いた光汰が美穂の方を振り返った。
光汰は美穂と達司を交互に見て、何かを悟ったような表情でゆっくりと動いた。
静かに美穂の横へ移動し、一旦座り、美穂の肩に優しく手を置き、ゆっくりと美穂を立たせた。
そのまま達司の隣に移動し、美穂を座らせ、光汰自身も座った。
達司と美穂の間に光汰が座るかたちとなり、光汰は達司と美穂の肩に手を置いた。
一定のリズムで優しく静かに肩をたたく。
その一定のリズムは二人に落ち着きを与えた。
しばらくすると、美穂はすっかり泣きやみ、光汰の肩によりかかってすやすやと眠った。
美穂に遅れること数分、まだしゃくり声をあげているものの、達司もようやく泣きやんだ。
10分程前まで部屋中に響いていた達司と美穂の泣き声が、今では達司のしゃくりあげる声だけとなった。
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