異世界

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「おちついた?」 光汰が達司の肩をたたきながら優しい声で聞いた。 「うん‥。ごめん」 「いいよ。それより美穂のこと悪く思わないでね。美穂が泣いちゃったのは自分と重ね合わせたからなんだ」 「え?」 「達司の世界でいう、俺達のお父さんにあたる人が死んだとき、美穂はずっと泣いてたから、そのときの自分と重なっちゃったんだと思う。だから悪く思わないであげて」 光汰は優しい表情で言った。 「うん」 達司が答えた。 「ありがとう」 光汰は微笑んで言った。 「‥あの‥さ、さっき僕が泣いた理由は‥」 「いいよ」 達司の言葉を光汰が遮った。 「え?」 「いいよ。言わなくて。今日はいろいろあって疲れたろ?早いとこ寝よう」 光汰が言った。                     
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