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「座って座って」
そう言いながら美穂がイスを引いて、光汰が少年をイスに座らせた。
少年に向かい合うような形で光汰と美穂も座った。
「どうしてあんなとこで寝てたの?」
美穂が少年に聞いた。
「あんなとこって?」
少年が美穂に聞き返す。
「覚えてないの?」
光汰が少年に聞いた。
「うん‥。どうして僕の名前知ってたの?」
少年は気になっていたことを聞いた。
自分ですら覚えていなかった名前を見たことのない土地で出会った光汰と美穂がなぜ知っているのか、気になっていたのだ。
光汰と美穂はしばらく顔を見合わせていた。
「ちょっと待ってて」
美穂はそう言うとさっきとは違う部屋に入り、小さな手紙のようなものを持って戻ってきた。
「これに書いてあったんだ」
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