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その手に握り締めた砂の粒
人の命は、握り締めた砂のよう。
零れないように、かたく握れば握るほど、隙間からさらさらと流れていく。
逆に、手を少し緩めてみても、風にさらわれ、零れてく。
今度は両手でふさいでみるが、いずれどこかの隙間から零れる砂はかわらない。
結局、どこかに必ず綻びがあり、流れる砂は止められなくて、人はその無力さに打ち拉がれる。
人は永遠を求めるけれど、永遠は、手に入ることはないからこそ尊くて、そして甘美なんだ。
だから、人は涙を流せるんだと俺は思う。
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