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「……はぁはぁ」
俺は暗闇の中、あの男から逃げている。
走っても走っても闇ばかりで、前に進んだ気がしない。
(……早く逃げないとあの男が……)
「鬼ごっこは終わりか?」
男の低い声が耳元で聞こえ、俺ははっとして振り向いた。
そこには、想像していた男がいた。
男の顔は闇に紛れ、全くわからないが、声の感じから、若い男だとわかる。
「どうして……」
呆然と俺は呟いた。
何故自分が、この男に追われているのかわからない。
ただわかっているのは、この男に捕まれば、ただては済まないことだけだ。
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