蚊取り線香

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「暑」 「確かに」 暑い夏、暦ではもう秋だと言うのに熱帯夜。 しかし熱帯地方の夜は涼しいらしい、不思議 ブーン 「蚊か…」 高杉は俺の隠れ家に堂々と上がって来て、暑いだの、蚊が煩いだの、俺にも分かってる 微風が吹いているから、微かに感じとりたいのに…消えてしまった ブーン、パチンッ! 何があったかと言うと、一匹の蚊が俺の足に止まって刺した、その瞬間に高杉が叩いたと 「ヅラァ、刺されかけてたぞ」 「わかってる」 潰れた蚊をティッシュでくるんで捨てた高杉は何事も無いように床に座った 少し吸われたのか、跡には血が付いている 周りには叩いた跡も さすがに痛かった 「痛かった」 すると暑い暑いと散々言ってた高杉が近寄って俺に懐いてくるではないか、珍しいこともある  
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