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溢れる涙は止まることなく高杉の頬を伝って落ちた
「…なんで…おいて行ったんだよ…っなんでだよ…」
今まで泣かなかったからこんなに溢れてしまうんだろうか、そう思いたい
それとも坂本だから?
俺だったら?
ヅラだったら?
守ってあげたいと思ってあげたからなのか、ただの醜い嫉妬からなのか分からないが抱き締めた
鼓動が、冷たい
紫がかった髪に変色した血液はずっと洗ってないから血が固まって髪に絡んでいた
「綺麗な髪なのに…」
「も…綺麗じゃねぇよ」
あいつが言ってくれなきゃ
あんな綺麗なもんも
綺麗じゃなくなるんだ
素敵なもんも
素敵ではなくなるんだ
「また生きてたら会える」
そう宥めようとした、が
「どれくらい生きてりゃいいんだよ、宇宙からここまで何年待てばいいんだよ!」
そう返されたら
何も言えなかった
辰馬…最後に好きって
言ってくれたら、
俺も高杉も苦しまずにすんだのにね
END
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