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「何故に!?」
「お前の行く所って『ゲー○ーズ』やら『アニ○イト』とかいう所だろ?」
「確かにそこも行きたいけど、たまには大和とも遊びたくなるんだよ」
「ほぉ~……」
「ごめんなさい。暇で仕方ないんです。遊びたいんです。遊ばせてください。この通りお願いします。神様仏様大和様~……」
俺が思い切り突き放したような視線を送ると、刹那は中腰になって俺に向かって合掌して来た。
本当に単純だな、おい。
そういや、刹那はオタクになってから腰が低くなったな。
俺は財布の中身を見る。
2000円ぐらいしかない……。
「じゃあ刹那。今あんまり金ないんだよ」
「へ?」
「稼ぎに行くぞ」
そして、俺たちがやって来たのは―――
「……やっぱりここか」
目的地に着くなり、刹那はため息をついた。
場所は駅近くのバッティングセンター。
軟式と硬式のゲージがあって、最高140km/hまで速さが出る。
俺と刹那の中学の時からの行きつけだ。
「何だ?不服か?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどさ…」
「じゃあ何だよ?」
「…バッティンググローブない」
「そんなもん関係ねぇって!」
「さすがにないとキツいんだよ」
「俺だって本当は着けたいんだよっ。ほら行くぞっ」
「理不尽だ……」
俺はあーだこーだ言う刹那を強制的に連れ込んだ。
……変な意味で捉えないでくれよ。
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