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翌々朝。
「じゃあ何かあったらすぐに連絡しろよ」
「はいはい」
「絶対に倒れる前になっ。行ってきます」
「行ってらっしゃ~い」
昨日は振替休日だったから、今日から学校だ。
俺は母さんに見送られ、学校に向かう。
刹那は野球の朝練で早く学校に行ってるから基本的に通学は俺一人だ。
今、寂しい奴だなと思った奴、昔伝説の頭部直撃の落球をした宇○さんみたいになりやがれ。
「さ~てと、今日も平和な1日が始まりだ」
俺は空を見上げる。普通が一番だよな。
確かにこの現実は時々イラッとするけど、道端に黒いノートが落ちてるわけないし。
「僕は新世界の神と○る」とか言いながら仮にノートを乱用して、「○田ぁぁぁあああ!!!」とか叫びたくないよ。
「――あ、おはよう東城くん」
自分でもくだらないと思った思考をある女子生徒がぷっつり断ち切った。
「おう、杉下。おはよう」
彼女は杉下 優子。俺と同じ1年3組のクラスメイトで、まぁ普通って言えば普通。
「また平和な1日が始まるね」
「それさっき俺も言った。何も起きないし平穏で良いじゃねぇか」
「そうだね。でも、何かこの日常を覆す出来事とか起きないかな!?って、思わない?」
「いや特に。そういうお前は日頃どういうこと考えてるんだ?」
「う~んとねぇ…。例えばぁ、雨の中雨宿りしてたら、『これ、使ってください』ってわたし好みの人が傘を貸してくれて、断ろうとしたけどそのままどこかに走っ―――」
「あーもう良い」
このままだと長々と話されて遅刻という松○修造も思わず熱く熱弁しそうな結果になりかねない。
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