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「え~」
「『え~』じゃない。遅刻したいのか?」
「わかったよ……」
ふぅ。コイツもしゃべり出したら止まらないタイプだからな。
ジャンル・分野の趣味が正反対の刹那とはいつも張り合ってるけど、俺からしたら似たようなもんだよな。
これ言ったら2人共キレるけど……。
「あっ、そういえば!今日、転校生が来るんだって!」
「転校生?」
「そうだよっ。先生言ってたよ?」
「あ~…多分聞いてなかった」
俺は普段担任の話なんてまともに聞いてない。
いつも窓の外を眺めている。
まぁ、「窓の妖精」と言われているある人物の幼少時代を浮かべたりしてないが…。
「転校生の話題に食いつかない人って珍しいなぁ」
「人を普通じゃないみたいな言い方するな」
「でも、転校生ってどういう人かな?って思わない?もちろんわたしは龍くんみたいな人が良いなぁ」
……俺は正直どうでも良いんだが…。
ちなみに杉下が言う龍くんとは、俳優の「神木龍○介」のこと。
俺は身体がほっそりしててあんまり好きじゃない。
巷で噂の『細マッチョ』とか言う体型なら多少は印象が変わると思うがな…。
「とにかく、男子の皆さんは『かわいい人』、女子の皆さんは『かっこいい』を期待するのはごく自然だと思うよ」
「あーはいはい。俺にとっては何もないことが自然だから」
「もう、ノリ悪いな~」
「悪いな。俺朝はダルいから」
そんな会話をして、学校に向かった。
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