互いの印(菊朝)

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「///き、く……ッいつもと…」    「ええ。いつもとは違いますね。…………でも、こんな私もいるんですよ」   グッと顔が寄る。   「こんな私はお嫌いですか?」   答えを言う前にまた唇が重なる。今度は深いキスだった。速さを増して深く入り込むキス。唇を割って入ってきた舌が口内を侵食する。   「…ンッ//………アァッ…ウッ…」   吐息が漏れる。 まさか自分が押されるなんて思ってもいなかったアーサーは信じがたい自分の声を聞いていた。 いつも自分が菊を押し倒しているのに、今はこんなに菊に攻められている。正直余裕がない。     部屋中に響く厭らしい水音が耳まで犯す。お互いの吐息がぶつかり合ってまた重なる。 菊が服の上から体に触れると、そこが熱を帯びる。ついいとなぞられるだけで全身が感じる。   「んっ…あぁ……はぁッ……ハァハアハァ…///」     唇が離れると熱っぽい視線を感じる。まだ息が荒いまま薄目を開けると熱いものが目から零れた。
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