early morning tea(朝菊)

2/6
前へ
/555ページ
次へ
      ―カチャ………       そーっと寝室に滑り込む。気づかれないように、そっと。     (なんだか、緊張でお腹痛いですね……)     自分の心臓の音が大きく響いて、その音で気づかれてしまうんじゃないかと思うくらい。       夕暮れとはまた違った明け方の薄暗さが、余計に緊張を誘う。     (まるで寝起きドッキリ、ですかね……危ないミッションのようです)       ゆっくりとベッドに近づく。そこにはぐっすり眠る金髪の人がいた。長い睫毛が下をむいて、いつもの明るい翡翠は瞼の下に隠れていた。 すーすーと寝息が聞こえるまで近づいた。   (………かわいらしい。でもここでシャッターをきれば……バレてしまう)     菊の中で葛藤が行われている時………       ――ぅーん………   その人はこちら側に寝返りをうった。幸せそうな寝顔にニヤケがとまらない。
/555ページ

最初のコメントを投稿しよう!

546人が本棚に入れています
本棚に追加