early morning tea(朝菊)

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そっと忍び足で脇まできてしゃがみ込んだ。 色白のおでこにさらさらの金髪が一束流れる。   どうしても触りたい衝動に駆られて手を伸ばしてみた。 起きるかと思われたが、意外としっかり眠っているようで簡単に触れられた。 撫でるたびに指がすっと入ると、絡まることなく抜けていく。なんだか子供のようでニヨニヨしてしまう。     (こんな可愛い顔は激写ものなんですがね)     愛する人の寝顔は、また愛おしいものだ。守られるばかりじゃなく、守ってあげたいと思えるくらい。       気がついたらベッドの中にいた。なんてことを!と思ったりもしなかったわけではないけれど、罪にはならない、だろう。       間近で見るとやっぱり睫毛が長い。そしてほどよく眉毛は太め。 向かい合わせになって入ったベッドの中は、寝ている人特有の温もりがあった。 枕やふとんから彼の匂いがする。もちろん彼に近づけばもっと心地よい。     (普段はこんなに近づくと真っ赤になって後ずさってしまうんで……ある意味貴重です)
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