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ただ一人を除いては―――…
「で今日は大事な会議なんだぞ!議題はズバリ!俺がヒーローについてだッ!!」
きっとこの人は気づいていない。私が、私たちがどれほど傷つき悲しんだかを。
彼は言った、悲惨な終戦を迎えたあの日。
「残念だよ……こんなことになって」
「……ッ何がですか!?あなたがしたことでしょうッ!!………こんな手を、使わずとも、あなたなら…止められたはずっ………」
「しかたなかったんだ。こんな戦争早く終わらしたかったからね。…………これで、君は今日から俺のものだぞ」
あれから、酷かった。
表面的には援助だが、実際私に対しては服従を強要した。言うことを聞かず逆らうようなことがあれば容赦なく手をあげられた。何をするにも彼は私をまるで監視するかのように側に置いた。癒えたばかりの傷をまた嬲る。
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