546人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな悪夢のような日々を経て、この場所にいる。
どんな屈辱にも堪えたからこそ、今自分は生きている。あの人のお陰でも何でもない。
「だから~お前の話はもういんだよッ!さっさと本題にしろよ!」
「え~よくないよ!最近誰も俺をヒーローにしてくれないから正直つまんないんだよー!」
ヒーロー?毎度繰り返し主張するそれは、いったい誰のためのヒーローなのだろうか。
少なくとも私のヒーローにはなりえないでしょう。
「何がヒーローだ、馬鹿か!」
「お前には向いてないよ。お兄さんの方が…」
「いい加減会議らしくしろっ!!」
ついにルートさんの怒りが爆発した。それでも落ち着かない会議。
「あ~あ。俺ってそんなに駄目な奴かい……?」
隣でぐったりと机に突っ伏すその人。
「……私はいいと思いますよ。貴方がヒーローで」
「!?…ほんとうかい!?」
「はい」
そうでも言わない限り………
貴方はまた私に手をあげるでしょう。
「そうか!やっぱりそーなんだよ~!菊はやっぱり俺の味方だぞ~」
嬉しそうにキラキラ光る貴方が煩わしい。
空気を読めないふりをしてその裏では、嫌な顔する私を気に入らず無理に自分に従わせようとする。
きっとこんな風に無理矢理笑っているのも気づいているんでしょう?でも、皆さんの前で私が貴方の肩を持つことに優越を覚えていらっしゃるから大目にみているのでしょうね。
最初のコメントを投稿しよう!