あいつが邪魔(朝菊)

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「………私だって、ヤキモチ焼きましたよ」   「え?いつ…」   「さっき。ぽち君にあんな優しい顔するから。最近アーサーさんは私に話し掛けてくださらないのに、久しぶりに来てくださったと思ったらぽち君ばかり……」   ぶつぶつ懐で愚痴るのをほほえましく思って髪を撫でてやる。艶やかに光る黒を誰にも触らせたくないと思い巡らしながら、まだ文句をたれる愛しい人をひょいと持ち上げて、おもむろに膝に乗せてやった。   「ひゃあ!な、な、なにするんですかッ///」   「いや、ぽちの奴を羨ましがってたからさ。それに、この方がなんか近くてドキドキするな」   後ろから抱きすくめるようにして腰に手を回す。耳元で囁くと、びくん、と跳ね上がる。   「それ、や、やめてください……くすぐったい、です///」   「ふーん。それだけ?」     わざともう一度耳元を犯す。今まで俺をほったらかしにした罰だ。     「……いじわる」     fin
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