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「だから、撃つことに少しも抵抗がないわけではないのである。……その人自身の強さの問題でもある、と思うである。しかしまあ、お前の言うことにも一理ある。無理強いはしたくない、訓練をやめてもかまわないぞ」
いつになくマイナスな発言でどこか寂しげな声音に、ふっと菊の顔が綻んだ。
「いいえ。続けていただきたいです。途中でやめるのは日本男児の名が廃ります!」
「!?………そうで、あるか」
緊張が緩んでほっとしたような顔になった。
「あなたの大事な人はリヒテンさんですね?」
そう聞くと焦りだした。
「べ、別にそぅいう意味で大切というわけではないぞっ!」
早口にそう言ったバッシュを少し面白がった。
「そういう意味とはどういう意味です?」
「うっ…」
「お兄様、ずいぶんと楽しそうですね」
「リ、リ、リヒテン!」
「準備、私もお手伝いします」
「そうですか?ありがとうございます。あ、またお料理教えてくださいまし。この間の料理、すごくおいしかったです」
「気に入っていただけて嬉しいです。ええもちろんいいですよ」
こうして三人で昼食を取った。
fin
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