愛の証~前編 (朝菊)

13/16
前へ
/555ページ
次へ
      本当にこれで終わってしまったんだ。 もう想いが通じることはないのだ。 そうお互いが泣き崩れた。      アーサーさんはやっぱり、こんな重たい私は仕事の邪魔に思ったのですね。邪魔になるのだけはいけませんよね……だって大好きなんですから。でももう、その想いも諦めなくては、ですね………。               菊は俺なんかよりアルの方がいいんだよな。構ってやれないのに無理に側にいろ、なんて言えないから。 好きな奴の幸せを一番に考えていたいんだ。……たとえあいつの心が俺でなくても………辛い想いは、俺だけが我慢すればいい……これでいいんだ。         何とか家にたどり着いた菊は、ぼうっとしたまま何もやる気が起きず、そのまま布団に入って目を瞑った。              「もしもですよ?私が邪魔になるようでしたら遠慮せず言ってくださいね」
/555ページ

最初のコメントを投稿しよう!

546人が本棚に入れています
本棚に追加