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「アーサーさん……………」
おもむろにアーサーに両の手をのばした。そして、きゅっと腰に抱きついた。
「わっ…………………/////」
急なことに動揺して真っ赤になるアーサー。けれど嬉しさ勝って菊の体を優しく包み込んだ。宝物に触れるような優しい手つきで髪を梳いた。恥ずかしいけれど、自分にしがみつくその姿が愛らしくて、やっと元のように通じ合えた実感が沸いて来て、今なら言える、どうしても伝えたかった言葉が溢れた。
「菊……………………………………………愛してる」
「!!………………////」
潤んだ瞳に紅潮した顔。
もう絶対に離さない。
この指輪に誓って―――
「わ、私も…………愛してます。ずーっと」
恥ずかしそうにそう言った菊のおでこにキスをした。
一段と赤くなって見つめる菊がアーサーの唇に軽く触れるだけのキスをする。
会えなかった分を埋めるかのようにお互いを求めた。
夕暮れに染まる部屋の二つの影は、一つに―――
繋ぐ手にはお互い愛し合う証。
Fin.
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