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―ある日のアントーニョ宅―
―バタンッ
「おーい!アントーニョいるか~!」
「………」
「いるなら返事しろ~」
「…………」
「…………いや返事しろって」
―ガタンッ
「ッだからいねーよ!いねぇから返事しねーんだろがコノヤロー!」
「お?」
何度目か叫んだところで勢いよく部屋のドアが開き、アントーニョが可愛がるあいつが出てきた。
「よぉロヴィーノ!なんだよせっかく俺様が来てやったってのにアントーニョのやついねぇのかよ」
そう言ってずかずかと部屋に入ってくる。
「ちょ、ちょちょっと待てコノヤロー!あああいつはいねぇって言ったばっかりじゃねーかよぉ!」
ビビりながらあくまで強気な言い方のロヴィーノ。その声も聞かずに部屋に入ってソファに座り込む。
「ああ。じゃああいつが戻るまで待ってやるぜ」
「なっなんでお前と留守番しなきゃなんねーんだ!」
「………」
「なっ…………なんだよ」
「前から気になってたんだけどよ~お前、なんでアントーニョの家にいんだ?」
「うっ…………」
「フェリちゃんと一緒に暮らしてないのかよ」
「…………」
いきなり痛いところを突かれ、言葉に詰まるロヴィーノに、まあいいけどよ、と流してしまうギル。
(気になるって言ってたのにそんな簡単に流していいのかよ。分からねぇ奴……)
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