ぐちぐち (ギルロマ)

3/5
前へ
/555ページ
次へ
結局二人でアントーニョの帰りを待つことになった。             部屋は静まり返る。 お互い何を話していいのかも分からず時間だけが過ぎて―――       最初に動いたのはギルだった。     「…おい。なんか喋れよ」     「なんで俺がお前に喋りかけなきゃなんねーんだよチクショーが!」   「こんな重苦しい空気堪えられるかッ!とゆうかッなんでそんな距離!?ソファひとつ向こうなんて話しずらいんだぜ!」     「別に話したくなんか……」   「はあ?」     呆れた感じでロヴィーノに詰め寄って、顔を覗き込んだ。    「お前、ほんっとフェリちゃんに似てないなあ」     「はあ!?…うっせぇ!お前こそムキムキに似てねぇよ」   「そっくりだなッ絶対!!繊細な所とか、賢いところとかよぉ」     「………」       「………なんだよその目はッ!疑ってんのか?あいつはホントに賢い自慢の弟なんだからなッ」   「そっちを疑ってんじゃねぇよ!!お前の方だ!」     「え!?」   「え!?じゃねぇよッ!何、俺を疑うなんてありえねぇ…、みたいな顔してんだ」
/555ページ

最初のコメントを投稿しよう!

546人が本棚に入れています
本棚に追加