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結局二人でアントーニョの帰りを待つことになった。
部屋は静まり返る。
お互い何を話していいのかも分からず時間だけが過ぎて―――
最初に動いたのはギルだった。
「…おい。なんか喋れよ」
「なんで俺がお前に喋りかけなきゃなんねーんだよチクショーが!」
「こんな重苦しい空気堪えられるかッ!とゆうかッなんでそんな距離!?ソファひとつ向こうなんて話しずらいんだぜ!」
「別に話したくなんか……」
「はあ?」
呆れた感じでロヴィーノに詰め寄って、顔を覗き込んだ。
「お前、ほんっとフェリちゃんに似てないなあ」
「はあ!?…うっせぇ!お前こそムキムキに似てねぇよ」
「そっくりだなッ絶対!!繊細な所とか、賢いところとかよぉ」
「………」
「………なんだよその目はッ!疑ってんのか?あいつはホントに賢い自慢の弟なんだからなッ」
「そっちを疑ってんじゃねぇよ!!お前の方だ!」
「え!?」
「え!?じゃねぇよッ!何、俺を疑うなんてありえねぇ…、みたいな顔してんだ」
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