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「じゃあ、このままデートしましょうか」
我ながらちょっと大胆過ぎた発言だと思った。
「だだだ、ダメだ!!!」
「ふふっ、嘘です」
もうこのくらいにしておかないとアーサーが火を噴いて倒れそうだった。結局いつもの着物姿で家を出た。
――夜の英国
街は明かりに照らされ、クリスマスムード一色。恋人達が笑顔で行き交う中二人も手を繋いで歩く。
しばらく歩いたところで大きなもみの木が豪華に飾られてライトアップされていた。
近くまで行って見上げているとちらちらと雪が降ってきた。
「ホワイトクリスマスだな」
「はい!とってもキレイですね。……………………今年もアーサーさんと過ごせて、幸せです」
隣にいる愛する人へにっこりと微笑んだ。
「俺も、幸せ」
優しく笑って、自然と二人の距離が近くなって…………
一瞬のようで長い時間の後。二人はしばらく見つめ合ったままでいた。
「……ふふっ、そんなに見つめられるとなんだか照れてしまいます」
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