夢のような (北欧夫婦)

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          シャンシャンシャン――…       世界中の家に回ってプレゼントを送る。途中で本田さんや王さん、フランシスさんやフェリシアーノ君、ロヴィーノ君なんかの家にも回った。 みんないい大人だけどこんな時くらい、           いいですよね!           そうして夜中も過ぎたころ、僕は家に帰る。     「はぁ~けっこう遅くなっちゃったなぁ。スーさん寝てるかなぁ」     そりから体を乗り出して我が家を見下ろす。と、そこには一人と一匹の影が真っ白の雪の中に見えた。     「え!?………スーさん!?花たまご!?」     そりが近くなるとその人の見上げる顔がはっきりしてきて、愛しいその瞳と目が合う。寒いはずなのにほっぺたがほんのり温かくなる。     そりが地上に下りて。       たまらなくなって走り出す。     早く、早くあの人の腕の中に――…           「スーさーん!!」     ぼふっ           「おけえり」     ちゅ     おでこに触れた柔らかなものが一気に体の芯を熱くする。 温かなスーさんの香りに顔をうずめる。少し離れていただけなのに懐かしく感じる。優しく撫でてくれる大きな手にすっぽり包まれてしまう大きな体。何もかもが安心をくれる。     「ただいまぁ。こんな時間まで待っててくれたんですか?」   「ん」     こんな夜中に外に出て待っててくれるほど優しい人。冷たくなったほっぺたを手袋をした両手で包んでくれる。     「寒い?」         「いいえ。スーさんが抱きしめてくれたから寒くないです」     正直に言うと、ふっ、とスーさんが笑ってくれた。 その瞬間が僕にとっての幸せだ。     「スーさん。Merry X'mas!プレゼントありますよ」   「俺も。ある」     「え!?スーさんからですか?う、嬉しいです///」       大好きなあなたと、今年もクリスマスが過ごせてよかった。     夢を運ぶサンタも、あなたに夢のような毎日をもらっています。毎日がクリスマス。     Fin
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