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「ケセセセ~!悪いがヴェスト、今日は俺様が主催なんだゼ!菊はもらってくからな、飯ができたら呼べ!」
声高らかにそう言うと、まだ暴れる菊を担いだまま奥へ行ってしまった。
「ギルさん。いい加減下ろしてくださいな」
「ダメだ。菊はおじいちゃんだからな!」
「それにしたって、じじいをこんな風に扱うなんて」
と、口には出してみたものの、彼に触れられることに嬉しい思いだった。
そうこうしていると部屋についた。
特に何も飾られていないシンプルな部屋、そこには一人の男性の写真が立てられていた。
前に菊が来た時もここにあったなぁと思い、彼の大切な人に心の中で挨拶した。
「……お前が、アイツとばかり話すからいけないんだ。もっと俺様をたてろ…」
ブーブー言う彼をやはり愛おしく思う菊は、拗ねて開き直りかけた彼の背中にそっともたれかかった。
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