花火の光(朝菊)

2/9

546人が本棚に入れています
本棚に追加
/555ページ
「ではアーサーさん、こちらへ」   「ああ。この色は?」   「藍色という色です。きれいでしょう?」     「あぁ、夏にはいい色だな」         今日は菊の国で花火大会がある日だと聞いて、参加することにした。   そしたら菊が、どうせ花火を見るなら浴衣も着ませんか、って言うもんだから菊の家で着付けてもらうことになった。     「まさかこんなに薄着だとは思ってなかったなぁ。いつも着ているのも同じか!?」   「ああ、あれは着物ですから少し違います」   「そ、そーなのか。もっと着づらいと思っていたが、思ったより動きやすいな」   「えぇ。はい、できましたよ」   「あ、ありがとう」     着付けてもらう間、菊の顔が近かったり腰に手を回したりされて正直焦った。紛らわせるための会話も内容が入ってこない。
/555ページ

最初のコメントを投稿しよう!

546人が本棚に入れています
本棚に追加