花火の光(朝菊)

6/9

546人が本棚に入れています
本棚に追加
/555ページ
もう一度縁側に出た時には最高潮に達していた。     何発も打ち上がり、途絶えることのない色とりどりの光。     隣で幸せそうに見上げるこいつを、光が美しくみせる。 座って見よう、と言って手を握って座らせた。 手は握ったままで。     次第に光の数が減って、大きな花火が一つずつ上がる。 綺麗だけど、儚く…   「日本ではこれを風流って言うんだろ?」   「えっ……そうですね」     ゆっくり微笑む菊は綺麗で儚くて…
/555ページ

最初のコメントを投稿しよう!

546人が本棚に入れています
本棚に追加