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もう一度縁側に出た時には最高潮に達していた。
何発も打ち上がり、途絶えることのない色とりどりの光。
隣で幸せそうに見上げるこいつを、光が美しくみせる。
座って見よう、と言って手を握って座らせた。
手は握ったままで。
次第に光の数が減って、大きな花火が一つずつ上がる。
綺麗だけど、儚く…
「日本ではこれを風流って言うんだろ?」
「えっ……そうですね」
ゆっくり微笑む菊は綺麗で儚くて…
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