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「それはできません」
叫びにも似た訴えを平然と断るアイツは俺の知らない菊。
「頼むッ……じゃないと俺、俺…」
お前のことを撃たなくちゃいけないんだぞ…
「ッ……何を躊躇っているんです?此処は戦場、対峙する者は敵。敵は殺すまで…!」
「お前は!…お前はそれでいいのか!?俺は、そんなこと、したくないッ!!お前はもう、俺のことッ」
「ッ…。そんなこと言っているようでは、私は止められませんよ……」
白い軍服を血で染めた人は何か我慢するような瞳で睨んだ。そして気力を振り絞り、刀を構えた。
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