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みんな一様に傷ついた。俺も、傷だらけになった。
まだまだ平和にはほど遠い。でも、みんなが力を合わせる時代がやってくるのに…一番大切な人は眠っている。誰よりも深い傷を受けて。
「菊。起きろよ……俺、言いたいこといっぱいあんだぞ…?」
視界が滲む。
「あの時ホントに俺を斬るつもりだったのか?…あんなに、煽ったのは、俺に撃たせようと、したからなんじゃないのか…?」
熱いものが頬を伝う。喉が痛い、胸が苦しい……
熱いものは、握った菊の手に落ちる。
目をつむってみてもとめどなく流れる。
こんな終わりは望んでない――――
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