憧れ(香菊或フラ)

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「えー、すみません。でも香君の街もいいじゃないですか。私が憧れる街と言えばー、…そうですねニューヨーク……」     「NYがどうかしたのかい?」     突然二人の後ろから顔が乗り出す。   「わっ!?ア、ア、アルフレッドさん!!びびっくりするじゃないですかッ!!爺さんを脅かすようなことしないで下さいッ!!」   振り返ってあわあわする菊。香君はアルフレッドを少し怪訝な顔つきで見て、菊を後ろから抱き寄せた。 どうやらアルフレッドに菊と自分の会話の邪魔をされたのが気に障ったようだ。     「え~爺さんなのかい?で、NYがどうかしたのかい?」   「え、あ、はい。アルフレッドさんの所のNYに憧れているという話をしていたんですよ」   先ほどの話に戻って今度は3人で話しはじめた。     「へーそうなのか。俺もNYは自慢の街さ!若者が憧れると言えばそこしかないんだぞ………って、君いつまでそうしてるんだい?菊のこと襲ったりしないからさ~」   依然、ムッとした表情で菊にしがみついて離れる気はない。アルフレッドは、はあ~、とため息を漏らす。
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