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0079年12月1日 アフリカ大陸中部 サハラ砂漠砂砂漠地帯
砂漠に響く爆音とMSの駆動音。所々で立ち上る黒煙、その中で数機の地球連邦軍製MS「陸戦型ジム」がゆっくりと歩みを進めていた。ただ、その手に握られている100mmマシンガンが狙っているのは、時代遅れの旧式戦車、T-80Uの輸出仕様である。宇宙世紀以前の中世期、旧ソ連時代にロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国およびウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国で開発された戦車で、地球連邦発足後に61式戦車が正式採用された後は、同地域の生産工場で中東やアフリカと言った地域の武装グループ向けへの輸出用として生産され続けていたのである。現在交戦しているのは反連邦系の現地ゲリラのようだ。
『くらいなぁ!!
一機の陸戦型ジムのパイロットが叫びながら、100mmマシンガンを連射、砲弾の嵐を浴びせる。黄色と焦げ茶の砂漠迷彩に塗られた数十台のゲリラT-80Uは100mmマシンガンの攻撃を避けながら必死に動き回っているものの、それでも数台は至近弾の衝撃で横転してしまっている
それ以外の黒煙のほとんどは撃破されたT-80Uから上がっているもので、その様は地球降下作戦から連邦軍がMSを開発・量産するまでの緒戦においてザクに蹴散らされる61式戦車と何ら変わりなかった。何とか食らいついた数台のT-80Uが動きながら一機の陸戦型ジムに主砲を各自発射する、直撃すれば儲けものだが、戦車でMSの動きに対応するには限界がある。ほとんど平行移動でかわされてしまう。
『ばかがぁ!!
砲弾の装填時の隙を狙い、立ち止まって100mmマシンガンで反撃というには似合わない過剰攻撃を浴びせる陸戦型ジム。瞬く間に砲撃したT-80U達が鉄くずに様変わりする。
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