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『お前の存在を知る奴のお前の記憶だけを消す』
この夜魔の言葉が信じられなくてオレは家に戻ってみた。
「母さん!!」
「………………………?あの、どちら様で?」
「えっ……!オレだよ!光一だよ!!」
「こう…いち君?」
「ちょっと母さん!ふざけな……」
「コラ!お前は何やってんだ!
すいませんねぇ、お騒がせしました。」
「や、夜魔…………」
「これで気がすんだか?」
「………うん………」
「なぁ~に、お前の事を忘れているのはたった7日間……7日経てばすぐに思い出すんだから!」
「うん……わかったよ……」
「じゃあ、仕事だ!!!」
「えっ!?もう?」
「当たり前だ!!
まずは事務所の掃除からな!!」
夜魔はそう言うと指を
『パチン!!』
と鳴らした。
すると光一はさっきまで住宅街に居たのに今はファントムのど真ん中に立っていた。
「えっ!?アレ??…えぇっ??」
「ホラ、すったてねぇで早く掃除しろ!」
「………ハ、ハイ!!」
「掃除が済んだらケルベロスに餌あげてこい!」
「…ハァ~イ……」
2時間後……
「よし!やっと終わったぁ!!
次は……犬に餌やらなきゃなぁ……」
「ホラ、餌だぞ!食え!」
『ガブ!!』
「痛ったぁ!!それはオレの手だ!!」
「ウ~…ワン!ワンワン!!」
「な、なんなんだよ……」
「あれ?珍しくケルベロスが人に懐かないなぁ…」
「うわぁ!!」
毎度ながら急に光一の背後に現れた夜魔。
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