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「あ?何だって?」
真四角に囲われたスペース。
そこに、数人の人間が集まって床やら壁やら、自由な場所に座っている。
その中で、真っ赤な髪を揺らめかせた人物が声を上げる。
「だから……、七つ目が刀(ハカシ)に渡った。と言っているんだ。」
「……ふぅん。なら、キタルと龍は?消えた?」
「恐らく。」
その二つの名前が出た途端、ザワリ、と空気が揺れる。
それを至極、不愉快そうに受け止めながら、赤い髪の人物は静かに口元に笑みを浮かべた。
「面白いじゃないか。」
「は?」
「……試してやるよ、俺が。」
「お前が?」
「ああ。」
窓際に座っていた赤い髪の人物はゆっくりと立ち上がると、着物の袂を弾く。
その行動に、近くに座っていた幾人かの影が、ビクリ、と震えた。
「殺しても、構わないな?」
「……私は、もう管轄外だ。既に触れる事を拒絶している。」
「なら、話は簡単だ。」
ニィイッと壮絶な笑みを顔に貼り付けて、その人は笑んだ。
「どれだけの力を持っているかは知らないけどな、力を持ったらそれ相応の罰が来る。それを……教えておかないと、な?」
「……あまり、無茶するなよ。お前が居なくなったら困る人間だって居るんだ。」
「どこに。」
『どこに。』そう問うように投げかけられた言葉は、今までの楽しんでいるような雰囲気とは真逆の、酷く冷たい声音だった。
金色の瞳が闇の中に灯った灯りの様に輝いて、ふと、閉じられる。
「今も、鼓動を打っている。まだ……終わっちゃ居ない…っ!!」
「お前…、思い出すのだけは止めておけ。あいつが消したモノは、お前にとってただの苦痛でしかないんだ。」
「……チッ。うるせぇな。分かってるよ、そんな事。」
舌打ちを打って、その人物は窓に向かって手を伸ばした。
「これは……終わりの始まり、だ。」
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