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「アキラー!?アキラーちょっと降りてきなさい!!」
「んぁ?」
ジワジワと蝉が鳴いていてうるさい。
更に、部屋は夏独特の熱気が篭っていて、窓を開けていようが閉めていようが、どちらにしても熱い…。
しかも、俺の部屋には扇風機なんていう次世代のハイテクアイテムは無いから、普通の手持ちのうちわしかなからな…。
それをパタパタと煽っていたら、階段の下から母さんが大声を上げたって訳だ。
「波立、ちょっとそこどいて…。」
しかも、俺の部屋には頭にぐるぐると包帯を巻いた波立がいつもの如く寝そべっている。
身長高いくせに、ごろごろするのが大好きな奴だからな…性質が悪いんだよな…。
あ。
そうだった、説明が遅れました。
今は、夏真っ盛り…じゃなくて、例の死神事件から何だかんだで…つまり、テストとかテストとか…そんなこんなしているうちに、学園は夏休みに突っ込んでいた。
その夏休みに入るか入らないかの位で、丁度一ヶ月。波立は入院して、退院を果たしていた。
で、その波立を引き連れて家に帰還して…、いつもの如くの状態になっている。
つまり、俺が学園に行く前の状態に戻っているってわけだ。
夏休みに入る前、火空先輩の事は一度も見かけなかった。……けれど、真曲先輩によると、「今はその時じゃない!!」とか言って火空先輩が俺に会うのを拒むんだそうだ。
俺、あの人に何かしたか?って少し悩んだけれど、長いながーい一ヶ月の内に、それ程気にならなくなっていた。
最も、俺は今でもあの人には感謝をしたいと思ってる。
だって…。
命を賭けてあの人は俺と、波立の事を守ってくれた。
そして、龍と父さんの力を継いだ俺をから力を受け取って、死神を消し去ってくれた。
それは、俺にとって色々な物を残してくれて……感謝しても仕切れないと思ってる。
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