667人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、アキラ…今から、学園に戻る準備をしなさい。」
「え!!本気で!?」
「当たり前でしょう!!こんな点数見せ付けられたら……。」
「母さん、俺と離れて寂しくないの!?」
「………ん、まぁ…。」
母さんはちょこっとだけ、どもって、チラリ、と波立を見る。
「第二の息子、路君が居なくなっちゃうのは寂しいかな?」
「波立かよ!!」
「エヘン!!俺、美紀さんの中で結構ランク高いんだ!」
「威張るなよ!!っていうか、息子の俺よりランク高いってどういう事!?」
「顔の格差でしょうね。」
ズバッと母さんに切り裂かれた気分だった。
自分でこの顔に産んでおいて、波立の顔が良かったと言いたいらしい。
完全に落ちだ俺に、ノソノソと波立が近寄って来る。
「……ちっ、俺に慰めはいらねぇよ!!」
「慰めじゃない。」
「はぁ?」
「……スイカ、食べる?」
とか言いつつ、既にスイカを俺の口元に押し付けてくる。
食うってまだ言ってないのに!!
そして、俺のツンデレを分かってくれよ!!
慰め要らないって言ったけど、本当は欲しいの!!可愛いでしょ!!このツンデレ!!
そんな事を考えている俺に、波立が更にスイカを押し付けてくる。
それに対して、俺は抵抗するわけでして。つまり……。
ボダダッ。って、砕かれたスイカの汁が机の上に置かれた波立の手の上に落ちた。
「あ…。」
「乗り出してるからだよ。」
「あーぁ…。」
もったいない、とボソッと呟きながら、波立は俺に向かってその手を差し出してくる。
「あ?なに?」
「アキラ…舐めて、欲しいんだけど…ダメ?」
「無理!」
「ケチッ!!」
「嫌なもんは嫌だろ!!」
「ケーチッ!!」
イーッと歯を出す波立は、もう既に金髪のイケ面台無しだった。
最も、俺はこいつが黙っている時以外……いや、ちょと待て、違うな…。こいつが眠っているとき以外、波立がかっこいいと思う瞬間は少ない。
最初のコメントを投稿しよう!