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「本当にいいのか?危ない橋を渡る事になる。お前達が思っている以上に、事は深刻なんだぞ?」
こんな切羽の詰まったクリセフの表情を見るのは、始めてだった。僕は威厳の篭った表情に押されてたが、ペシルは何ともないようだった。
肩をすくめていた。
「構わないさ。
夏の長期休暇が潰れるとしても」
「確かに。夏の長期休暇は潰れてもいい気がしなくもない」
僕はちょっと、ペシルのジョークに笑った。
「笑い事じゃない。現実だ。本当に夏の休暇が潰れる事になるかもしれない」
表情は、ますますきつくなっていた。
何かが起こりそうで、怖い。
「いいよ、別に。俺は覚悟していた」
「そうか……。
ダント、お前はどうだ?」
矛先が僕に向いた。
怖いが、口を開いた。
「うん。僕はそれを知りたかった。あの事件の真相を」
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