『Ⅰ部』 第1章~僕~

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「本当にいいのか?危ない橋を渡る事になる。お前達が思っている以上に、事は深刻なんだぞ?」 こんな切羽の詰まったクリセフの表情を見るのは、始めてだった。僕は威厳の篭った表情に押されてたが、ペシルは何ともないようだった。 肩をすくめていた。 「構わないさ。 夏の長期休暇が潰れるとしても」 「確かに。夏の長期休暇は潰れてもいい気がしなくもない」 僕はちょっと、ペシルのジョークに笑った。 「笑い事じゃない。現実だ。本当に夏の休暇が潰れる事になるかもしれない」 表情は、ますますきつくなっていた。 何かが起こりそうで、怖い。 「いいよ、別に。俺は覚悟していた」 「そうか……。 ダント、お前はどうだ?」 矛先が僕に向いた。 怖いが、口を開いた。 「うん。僕はそれを知りたかった。あの事件の真相を」
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